生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
呼吸は生命の根源といえます。人間は生まれてから、学ばなくても自然にできるものですが、普段は意識しない呼吸を意識的に行うことによって自然治癒力を高めることができるのです。今回は呼吸についてお伝えします。
呼吸は、寝ている間でも止まることがないことからわかるように、無意識的に行われています。 一方、自ら息を止めたり、深くしたりすることができる意識的なものでもあります。
つまり、呼吸は自分の意思で動かすことができる体性神経と、自分の意思とは、無関係に体の機能をコントロールしている自律神経との両方の支配を受けています。
そのため、呼吸を整えることによって自律神経のバランスを整え、心身をコントロールすることができるのです。
正しい呼吸法を身につけておけば、普段から腹式呼吸が出来るようになり、心身が安定して常にリラックスできます。
人は、心配事があると呼吸が沈んで浅くなり、怒ると呼吸が荒くなります。
驚いたときには吸う息に力が入り、のんびりしているときには吐く息が長くなり、筋肉もゆるみます。
これは、感情と呼吸が一体となっていることがわかります。感情が乱れても、深く長い呼吸をすることによって自律神経に働きかけ、感情も静まっていきます。
また、気功、座禅、ヨーガ、エアロビクスなども、心を重視した呼吸法を取り入れ、自然治癒力を強めています。
空気中の酸素を取り入れ、炭酸ガスを排出する過程を呼吸といいます。2種類の呼吸があります。
外呼吸(肺呼吸) | 肺において、空気中の酸素を取り入れ、炭酸ガスを排出します |
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内呼吸(組織呼吸) | 各器官の細胞において、血液が運んできた酸素を取り入れ、細胞で生じた二酸化炭素を排出します。 |
正しい呼吸法は腹式呼吸です。腹式呼吸は少ないエネルギーで効率の良い呼吸ができるので、気管支炎、ぜんそくなどで肺の機能が低下している人に最適といわれています。
また、普通に呼吸をしているときには、吸った空気の7割しか吐き出されていませんが、腹式呼吸では、ゆっくり深く呼吸することによって全部の空気を吐き出せます。また、足や脚から心臓へ帰ってくる血液の流れを多くし、全身の循環を良くします。
来月のテーマは、「自然治癒力を高める心のもち方」です。