健康管理情報

冬に大流行!感染症を未然に防ごう~インフルエンザ~

2024年12月号
更新)
季節の健康

11月号に引き続き、冬に流行する感染症の予防をテーマにお送りします。

今回は、乾燥や寒さによって抵抗力が低下し、感染しやすくなるといわれている「インフルエンザ」です。改めて、インフルエンザがどのような病気か、抵抗力低下を防ぐために今から取り入れておきたい栄養素とレシピについてご紹介します!抵抗力を高めてインフルエンザを未然に防ぎましょう。

インフルエンザとはどんな病気?

インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。一般的な風邪と似ている症状もありますが、インフルエンザの方が症状が重く、乳幼児や高齢者では重症化することもあります。感染力が非常に強く、例年11月下旬頃から流行し始め、1~3月頃にピークを迎えるので、早めの備えが非常に重要です。最近では、猛暑が続き夏バテしてしまい抵抗力が落ちたり、エアコンの使用による乾燥、インフルエンザが流行している国からのウイルスが持ち込まれるなど様々な要因により、夏でも感染することが増えているため通年で注意が必要です。

インフルエンザウイルスの種類

インフルエンザウイルスには、大きくA型、B型、C型の3種類があります。その中でも大きな流行の原因となるのはA型とB型で、『季節性インフルエンザ』と呼ばれています。

その他、数年から数十年ごとに今までのウイルスとは全く違う変異を起こした『新型インフルエンザ』が発生しています。ほとんどの人が新型ウイルスに対する免疫を持っていないため、短期間で爆発的に大流行する恐れがあります。

どんな症状がでる?

①風邪よりも高熱が出て、咳、くしゃみ、鼻水、喉の痛みだけでなく、関節の痛みや筋肉痛などを伴うことがあります。

②症状が出る部位も局所的ではなく、全身に倦怠感が現れるのも特徴の1つです。

③潜伏期間は、1~4日で、多くの場合には1週間程度で治りますが、急激に症状が出てきます。

感染経路は?

インフルエンザの主な感染経路は2つあります。それぞれ見ていきましょう。

飛沫感染

感染した人のくしゃみや咳などによって飛び散った、ウイルスを含む飛沫を鼻や口から吸い込むことによって感染します。

②接触感染

ドアノブやつり革など、ウイルスがついたものに触れ、口や粘膜に触れるなどして感染します。

かかってしまった時の対処法

 ①違和感を感じた時の対応

インフルエンザと疑われる場合には、早めに病院を受診しましょう。発症後48時間以内に抗ウイルス薬の服用または吸入をすれば、症状が軽減されて早く治ることが期待できます。なお、抗ウイルス薬を服用後もウイルスの排出は続くため、新たな感染を起こさないためにも外出は控えましょう。

②十分な休養と水分補給

安静にして休養を取り、水分を十分に摂りましょう。熱がある場合には、汗をかくことで、いつもより多くの水分が体の外に出てしまうため、経口補水液などを上手に活用してみましょう。

③室内温度と湿度管理

インフルエンザウイルスは低温、低湿度を好むため、できるだけ室温を20~25℃、湿度を50~60%程度に保つようにしましょう。さらに、口の中や喉の乾燥を防ぐためにはマスクも効果的です。

④こまめな換気

インフルエンザウイルスを室内から排出するためにこまめな換気も大切です。

⑤家庭内感染の予防対策

特に、家庭内感染には注意が必要です。マスクを着用し、使用したティッシュなどは蓋つきのごみ箱にすぐに捨てましょう。さらに、手指や手首の手洗い消毒はもちろん、電気のスイッチやドアノブ、水道の蛇口など、家族が共通してよく触れる場所は入念に消毒を行いましょう。

インフルエンザ予防になる栄養素とは?

寒さで体温や抵抗力を落とさないために、抵抗力を高めてくれる栄養素を日々の食事で意識して取り入れましょう。

ビタミンD

ビタミンDは、脂溶性ビタミンの1つで、カルシウムやリンの吸収を助け、骨を丈夫にするために欠かせない栄養素です。他にも、免疫細胞を活性化する働きもあり、体内に入ってきた細菌やウイルスなどから身を守るために大切な栄養素です。

ビタミンDは、魚介類やきのこ類などで摂ることができ、油と一緒に摂ると吸収率が高まります。また、ビタミンDは太陽の光が皮膚に当たることにより皮膚でも合成されています。ところが、日照時間の少ない冬場は皮膚からの合成が少なく不足しがちになるため食事から補いましょう。サプリメントを活用する場合には、過剰摂取に注意しましょう。

ビタミンD:魚介類(サケやサバ、イクラ)、きのこ類(干し椎茸、乾燥キクラゲ、しめじなど)

注目!乾燥させて栄養価アップ

きのこ類は乾燥させるとビタミンDがグッと増えるため、干し椎茸や乾燥キクラゲを活用したり、買ってきたきのこを風通しのよい、日光のあたるところで2~3時間干すだけでも栄養価が増すため効率よく摂取することができます。

ビタミンA、C、E

ビタミンエースとも呼ばれており、いずれのビタミンも抗酸化力が高く免疫力を高める栄養素です。ビタミンA(β-カロテン)は、粘膜を正常に維持するために必要な栄養素で、喉や鼻の粘膜のウイルスに対するバリア機能を高めます。次にビタミンCは、抵抗力を高めてウイルスや細菌から守ってくれます。そして、ビタミンEは白血球やリンパ球の働きを助け、免疫力を高めてくれます。

ビタミンA:人参、かぼちゃ、ほうれん草、トマト、うなぎ、レバーなど
ビタミンC:ブロッコリー、ピーマン、アスパラ、トマト、じゃがいもなど
ビタミンE:かぼちゃ、アボカド、アーモンド、サバなど

管理栄養士直伝!『缶詰を活用!抵抗力を高めるレシピ』

缶詰を活用した、抵抗力を高めるレシピをご紹介します♪
このレシピでは、免疫力に関わる栄養素のビタミンDを含むサバ缶とビタミンACE全てやリコピンを含むトマト缶を使い、抵抗力を高めるために必要な栄養素を効率よく摂れることができます。

サバのスパイシートマト煮

材料 (2~3人分)
  • サバの水煮缶 ……1缶(180g)

  • トマト缶 ……1/2缶(200g)

  • ぶなしめじ ……100g

  • 玉ねぎ ……1/4個(50g)

  • アスパラガス(ブロッコリー) ……2本(1/2株)

  • ヤングコーン ……4~5本

  • 塩麴 ……小さじ1

  • ニンニクペースト ……小さじ1

  • カレー粉 ……小さじ1/2

  • オリーブ油 ……大さじ1

  • 粗挽き胡椒 ……少々

作り方

  1. 1

    玉ねぎを繊維に沿って薄くスライスし、ヤングコーンは斜めに1/2に切る。

  2. 2

    アスパラの根元1㎝程度を切り、根元から5㎝程度をピーラーで皮をむく。 さらに、1㎝程度厚みの斜め切りにする。 ※ブロッコリーの場合は、つぼみを小房し、芯は皮を厚めにむき、拍子切りにする。

  3. 3

    耐熱容器にしめじ、玉ねぎ、アスパラ、ヤングコーンの順に加え、サバ缶の汁ごと加え、大きめの一口大にほぐす。

  4. 4

    ③にトマト缶の半分を加え、残りにニンニクペースト、塩麹、カレー粉を入れよく混ぜ、耐熱容器に加える。

  5. 5

    ④にラップをふわっとし、レンジ600W、15分加熱する。

  6. 6

    全体を軽く混ぜて、ラップをしてさらに600W、1分加熱する。

  7. 7

    最後にオリーブ油を回しかけ、粗挽き胡椒をしたら完成。