生活習慣病を予防する特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
季節の変わり目の気候変動や日常のストレスなどの環境の変化によって、片頭痛が起きることはないでしょうか。痛みや頻度は人により様々ですが、片頭痛とはいったいどういったものなのか、改善するにはどうしたらいいのかなど疑問を解説していきます。
原因となる病気がないのに頭痛が起こる「慢性頭痛」の一つです。こめかみから目にかけて、片側を中心に、時には両側や後頭部まで脈打つように起こります。
また、くも膜下出血や脳梗塞などの深刻な病気で起こる頭痛とは違い、検査をしても異常が見つからないのが特徴です。
片頭痛は前兆のないものと前兆のある2つのタイプがあります。
・前兆のない片頭痛:ズキズキとする頭痛が数時間から3日程度持続し、多くは片側で起きます。階段の昇り降り、入浴のような日常的な運動で症状が悪化し、吐き気や嘔吐症状がでたり、光や音に敏感になることがあります。このような頭痛を何度も経験し、5回以上繰り返すと片頭痛と診断されます。
・前兆のある片頭痛:視野が欠ける半盲やギザギザした光がでる閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる症状が現れます。これらが数分~60分程度持続した後に、ズキズキする頭痛が現れます。半盲や閃輝暗点は頭痛が始まる前に消失します。こうした発作が2回以上で片頭痛と診断されます。
片頭痛の明らかな原因は解明されていませんが、複数の誘因が引き金となり三叉神経が刺激され、痛みを引き起こす物質が分泌されることで、炎症や血管の拡張が生じて起こるといわれています。引き金となる誘因は個々で異なりますが、ストレスや睡眠、食生活の乱れ、飲酒、天候などが関係しているといわれています。
片頭痛の有病率は女性が男性の約3倍とされています。女性の片頭痛が多い要因は明らかになっていませんが、生理前後に必ず頭痛が起きるという人が多くいます。これはホルモンの変動が影響しています。中でも女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少すると脳内のセロトニンも減少します。セロトニンは血管の収縮をコントロールしたり、痛みを抑える働きがあるので、これが減少すると痛みに敏感になって頭痛が起きやすくなると考えられます。
片頭痛は季節を問わず起こりますが、強い日差しや急激な温度差、気圧や湿度が変化しやすい夏は特に注意が必要です。また、夏休みで遠方に出かける機会が増え、環境の変化が片頭痛を招くこともあります。
※体の冷えによる「むくみ」も片頭痛の大敵となります。利尿作用の高いカリウムを多く含む夏野菜を積極的に摂取し、体の余分な水分を排出するといいでしょう。おすすめは枝豆や大葉、トマト、キュウリなどです。
1.食事:食生活の乱れは片頭痛だけでなく、その他の体の不調の原因にもなります。特に食事を抜くことによる低血糖や空腹感は片頭痛を引き起こす誘因となります。1日3食偏りがないようバランスよく食べることが大切です。また、アルコールやチョコレートは特に片頭痛の誘発性が高い食品とされるため、個人差がありますが、自身の体調や行動に応じて摂取を調整しましょう。
2.運動:定期的な運動が片頭痛の予防に効果があるとされています。朝の軽いジョギングや自宅でできる簡単なエクササイズなど無理のない範囲で軽い運動を取り入れてみるのもいいでしょう。
3.睡眠:寝不足と睡眠過多の両方が片頭痛の誘因であるとされているため、適度な睡眠を心がけましょう。また、寝る前のスマートフォンやパソコンなどの使用によるブルーライトは寝つきを悪くし、睡眠の質の低下につながるため、使用は控えましょう。
「季節の変わり目や雨が降ると頭が痛くなる」という自覚のある方はいるのではないでしょうか。気象に連動して対象を崩す人がいることは昔から知られており。特に低気圧のときんい頭痛などを訴える人が珍しくないといわれています。原因は明らかではありませんが、耳の奥にある内耳の気圧センサーが急激な気圧の変化を感じるとその情報が脳に伝わり、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスが崩れます。その結果、頭痛やめまい、肩こりなど不調が現れると考えられています。
痛みの程度や時間には個人差があらため横になり休息したり、温かい飲み物を飲んで安静にするなど自分にあった方法を見つけるといいでしょう。
ご自身や周りの大切な方のために、健康管理の正しい知識を身につけて、健康で輝く未来を創りましょう♪
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来月のテーマは、「眼精疲労」です。