肺がん

肺がんについてabout

肺がんとは

肺がんは、1994年以来、がんの部位別死亡率の1位となっています。発見されたときには進行している場合が多く、がん全体の中でも治療が難しい病気とされています。
肺は、口や鼻から吸った空気中の酸素を体内に取り入れる働きを持つ臓器です。肺がんは、このような呼吸にかかわる気管支や肺の組織にできたがんで、肺の正常な細胞が傷つき、がん細胞に変化する病気です。

肺がんの分類

肺がんは、がん細胞の組織や形態の違いによって、「小細胞肺がん」と「非小細胞肺がん」に分類されます。さらに、非小細胞肺がんは、「扁平上皮がん」「腺がん」「大細胞がん」に分けられます。
また、肺がんが発生する場所の分類として、肺の入り口近くの部位や太い気管支にできる「肺門部(中心型)」と、肺の奥の細い気管支や肺胞にできる「肺野部(末梢型)」があります。
それぞれの組織型の分類に応じて、がんが多く発生しやすい場所や頻度、原因、進行具合などの特徴に違いがあります。次の表を参照してください。

組織分類 多く発生しやすい場所 特徴
小細胞肺がん 小細胞がん 肺門・肺野ともに発生 ・増殖が速い
・転移しやすい
・喫煙との関連が大きい
扁平上皮がん 肺門(肺野の発生頻度も高くなっている) ・痰や血痰などの症状が現れやすい
・喫煙との関連が大きい
非小細胞がん 腺がん 肺野 ・最も頻度が多い
・症状が出にくい
大細胞がん 肺野 増殖が速い

肺がん

肺がんの原因

肺がんが発生する最も大きな原因は喫煙です。喫煙には自らタバコを吸う「能動喫煙」と近くで吸っている人の煙を吸い込む「受動喫煙」があり、どちらも肺がんのリスクを高めます。
喫煙以外の原因としては、大気汚染(排気ガス、PM2.5など)や他の肺疾患(慢性閉塞性肺疾患:COPDなど)などが挙げられます。

肺がんの症状

肺がんは他のがんと比べても症状が出にくいことが特徴で、早期がんであればほとんどの場合無症状です。肺がんが進行するにつれて、咳や痰、血痰、発熱、呼吸困難、胸の痛みなどの症状が現れてきますが、他の呼吸器疾患との区別がつきにくいという難しさもあります。
呼吸器症状が長引く場合や、喫煙歴のある40歳以上の方は、早期発見のために早めに医療機関で検診や検査を行うとよいでしょう。

肺がんの検査

肺がんを発見するための主な検査には、以下のものがあります。

  • 胸部X線検査
  • 喀痰細胞診
  • 胸部CT検査
  • 気管支鏡検査

肺がんの予防

喫煙は、肺がんだけでなく他のがんとも関連があることが分かっています。たばこを吸う人は吸わない人に比べて、がんになるリスクは4~5倍になり、受動喫煙でもリスクは高くなります。禁煙することも大切ですが、なによりも生活習慣を改善することが大切です。

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