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学会参加報告 <日本時間栄養学会学術大会>

2024.10.21
学会関連

日本時間栄養学会学術大会に参加いたしました

~『日本時間栄養学会』学術大会より~

当協会では、生活習慣病や健康管理に関連する学会に加盟し、最新の学術情報を収集しています。今回は、2024年8月23~24日に東京工業大学大岡山キャンパスで開催されました『第11回日本時間栄養学会学術大会』-産官学で共創する時間栄養学-の報告の中から現在、どのようなテーマで研究が行われているのか、一部内容を抜粋しご報告させていただきます。

学会名

日本時間栄養学会

報告内容
クマ類の妊娠・出産はヒトと大きく異なる?

日本には、ヒグマとツキノワグマの二種類が生息しており、食物資源が極端に減る冬期は冬眠をすることが特徴である。そんなクマの冬眠中の特徴について発表が行われた。

クマの冬眠は、他の冬眠性哺乳類の冬眠とは大きく異なっている。違いとは、①体温の効果度が少ない②冬眠期間中、一切の中途覚醒がなく、ずっと眠り続けている③摂食、飲水、排泄、排尿がない④骨格筋や骨の退縮が起こらない⑤妊娠メスは冬眠中に出産及び哺育を行う、といった特徴があり、冬季は冬眠穴で眠り続けているのである。特に大きな特徴として挙げられたのが、クマの繁殖についてである。交尾期は初夏の5月~7月ごろで、交尾後受精卵から胚への分化がみられるが、そこで発育を止めて数カ月間着床が延期され、着床遅延がみられる。そして、冬眠開始時期である11月の下旬に着床が起こり、胎子の発育が開始される。その後、約2カ月の真の妊娠期間を経て、冬眠中に出産が行われている。

このように同じ哺乳類でもヒトとは違った不思議な生態を持っており、その他にもさまざまなクマの生態についての研究が進められている。

筋肉を大きくするために最適な時間栄養学がある?

レジスタンス運動を行うと、運動後48時間は筋合成が促進されており、この48時間におけるたんぱく質の摂り方が筋合成促進および、筋肥大させるために重要であると考えられている。そこで、筋肥大を加速させるための、たんぱく質摂取方法についてエビデンスをベースにした考察が発表された。

筋肥大にはレジスタンストレーニングに加えて、たんぱく質摂取が重要であり、筋肉のほとんどは水を除くとたんぱく質で構成されている。このことから、筋肉の材料としてたんぱく質は必要不可欠な栄養素である。

よく言われているのは『運動後30-60分以内が筋合成促進のたんぱく質摂取のゴールデンタイム』という声がある。しかし、このゴールデンタイムを明確に証明する研究は今のところ存在しておらず、むしろこの時間内にたんぱく質摂取は筋合成を妨げてしまう可能性があるといった論文も存在している。

つまり、筋肥大を促進するためには、1-2日という単位でたんぱく質の摂取方法を計画する必要があることが示唆された。